こだわりを持つこととこだわりを捨てること

何かを実現するためには、こだわりが必要だ。

「思い込んだら命がけ」という言葉があるくらい、命がけで何かを取り組めば、

 

必ず実現できるものである。

しかし、時としてこれがじゃまになることがある。

 

こだわり過ぎて、固定概念から脱却できないことにもなりかねない。

例えば、日本はものづくりというこだわりがある。

確かにものづくりという面においては、

今でも世界一の水準を保っていることは、言うまでもない。

しかしそれにこだわっていることが原因で、衰退の原因を招いている。

私がオムロン在職中、担当していた地域で、東京の大田区がある。

大田区と言えば、日 本の冠たる中小企業がひしめきあうところだ。

その当時、7000社以上の中小企業がひしめきあい輝いていたが、

今では3000社に激減していると言う。

その理由は、ものづくりにこだわって来たからだ。

とにかくいいものをつくれば売れるというこだわりだ。

ものづくりという言葉にこだわって、いかに売れるようにするかという、

売れる仕組みを全く考えない。

大変もったいないことだ。

その結果、下請けに甘んじる。

下請けは、いつまでも下請けであり、親亀こけたら皆こけた状態になる。

そこで、ものづくりという言葉の概念を広げて、売れる仕組みを考えることも

ものづくりと考えたらどうだろう。

つまりものというのを目の前にあるものではなく、目に見えない仕組みも

ものと考え直してみるのだ。

今風に言えば、ハードだけをものと考えるのではなく、

ソフトもものと考えるのだ。

世界を席巻するグーグルや、アマゾンなどは、ハードであるものをつくっていない。

しかし売れる仕組みというソフトなものをつくっている。

今こそ、日本人全体が今までの思い込みをぶち破り、

ブレークスルー(突破)する必要がある。

[わくわく成功講座 No.220]