次男夫婦の要請があり、孫の753祝いで
自由が丘のフォトスタジオにつきあうことになった。
驚いたことに「押すな」「押すな」の大盛況である。
少子化のニーズにドンピシャリ。
我が家みたいに双方のジジババまで総動員できる、
素晴らしいビジネスモデルである。
将来を担う子供達が主役、その脇を固める若夫婦、
何て雰囲気が明るいのだろう。
しかもハレの日を撮影するのだから、スタジオ全体が醸し出す、
その未来志向の輝きは半端でない。
私の住んでいる家の近くにもフォトスタジオがあり、
いつも駅の行き帰り眺めながら「こんなビジネスが成り立つのか」と半信半疑であった。
ところが実際フォトスタジオの足を運んでみると目から鱗である。
昔の写真館とは様変わりである。その写真館と言えば、何枚かの写真を撮り、
それで終わりだが、今のフォトスタジオは、まるでモデルさんの
撮影会場さながらである。
第一、コスチュームが揃っている。
そして大小あわせていろんなシーンの部屋を用意している。
決して大きなスペースとは言えないが、細かく仕切り、
和洋さまざまな空間がドラマのセットのように配置されている。
まさに日常からスリップできるのだ。
打ち合わせの場所は、まるでキッズルーム。
これでは子供達が飽きることはない。
ラフな格好をしているスタッフのおにいちゃんやおねえちゃんも
子ども扱いには慣れている。
そして彼らの手には、私も大のお気に入りのiPad。
これで息子夫婦にいろいろプレゼンし、そして写真を撮り終わった後も、
どの写真をアルバムに採用するか、このiPadで打ち合わせをする。
カメラも当然デジタル一眼レフカメラ。
まさにハイテクを駆使しながら、やっていることは、とてもローテクつまりソフト的である。
いかに「かわいい~」「素敵!」「きれい!」等々の感性を商品として仕上げるかである。
時代は間違いなく、理性から感性に移りつつある。
理性を追求した結果、技術がいいのは当たり前。
その上にいかに感性的価値をつけるかがこれからの企業の生き残り策となる。
iPadやiPhoneを開発したアップル社の創業者、
故スティーブ・ジョブズは、開発の仲間にこんな言葉を残している。
「君たちは技術と文化を融合させるアーティストだ」
街中の小さなフォトスタジオの中に、その融合を見た。
[わくわく成功講座 No.275]
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